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”必ず”は保証されない
今、だ――
「『偽――』」
「!」
”スライド”は封じてある。
なら、今、この技がよけられるはずがない――!!
「『――無形の型』っ!!」
「――ち」
ショウ兄さんが初めて焦りの表情を見せた。
初撃はナイフで受けられる。
勿論、それはこの技の想定通り。
そして、必殺の二撃目を――!!
「!?」
驚きは私のものだった。
二撃目を放つはずの私の腕は一瞬硬直した。
それでも、そのまま二撃目を放つ。
剣はショウ兄さんを肩口からショウ兄さんを捉えたが、精度が落ちている。
その左肩にダメージを与えることが出来たが、
それでは決定打にはならず、ショウ兄さんは剣から逃れていた。
私は腕の硬直、痺れの原因を確認した。
その痺れの正体は右肩に刺さったナイフ――
ショウ兄さんは一撃目を受けると同時に、私が二撃目へと切り替える最中、ナイフを投擲していたのだ。
「やれやれ――」
「!」
離れたと思っていたショウ兄さんは、逆に迫っていた。
私の肩からナイフを引き抜いて回収すると同時に、私を蹴り飛ばした。




