751/1085
手札の中身
「さて、どうする?」
私は起き上がり、構えを取った。
確かに勢いに任せたりせずに、慎重に機を狙うべきだった。
『偽・無形の型』と同じく、二度も同じ技はショウ兄さんに当たらないだろう。
それを考えれば、私が切れる手札は決して多くない。
『ショットマグナム』は未だ未完成だ。
完成度そのものもそうだが、こんな街中で放てる精度ではない。
となると――
「……」
「また剣を抜いたか」
『ソードマグナム』、これをベストなタイミングで放つしかない。
「……だが、顔つきが違うな。何か思い付いたか?」
……!
「『隼剣』!」
顔に出ていただろうか。
いや、それ以上にショウ兄さんが鋭いのかも知れない。
「!?また、か……?」
寸前でバックステップ。
そこから、踊る剣技に切り替える。
「……と!」
「はっ!」
横から薙ぐ剣をナイフで受け止められた。
「惑わそうという意識はいいが、意図がバレバレだぞ」
「っ……!」
「だが、続けてみるか?
わかっている状態で、俺を惑わしてみろよ」




