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射撃
と、なれば、タイミングを見計らって……
「『気功波』!」
ショウ兄さんはこちらを一瞥しただけで、避けようともしない。
そう、避けるまでもなく、『気功波』は当たらなかった。
街に被害を出さないようにすると、自然と威力は弱めるし、壁から壁に移るタイミングを狙うしかない。
「くっ……『ファイアボール』!」
もちろん、当たった時の衝撃を考えるなら、発射する角度、狙う箇所も考えないといけない。
そうなると、自然と道の真ん中、壁と壁の丁度中間地点を狙うしかない。
「……」
「『エア』!『ウォーターバレット』!『アーススピア』!」
タイミングと通過箇所の予測……これは点を点で狙っているのと同じ。
私が放った攻撃のほとんどはショウ兄さんが防ぐ、避ける必要もなく、外れていた。
「そんなのでいいのか?
それに、このまま続ければお前にその意思はなくても、事故るぞ」
「くっ……」
そうだ。
結局は街中、外した攻撃は流れ弾のようにして、私の意思に関係なく、街に被害をだしかねない。




