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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第13章 覚醒する少女
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追走

それもあくまで、私が視認出来る距離だ。


もちろん、そのスピード自体も手加減されたものだとはわかっていた。


「くっ……!」


だからと言って、当然潔く負けを認めるなんてことは出来ない。


地面を蹴り、同じように壁を蹴っていきながら、追いかける。


加減されているとは言え、私が必死に追いかけて、並走出来ているかどうかのギリギリの速度。


既に距離が開いている以上、間違っても追いつける訳がない。


なら――どうすれば、いい?


「……はぁ!……はぁ!」


加えて、地を走るでもなく、屋上を駆けるのでもなく、壁を蹴って先を進むなんてはじめてのことだ。


簡単に進むショウ兄さんを追いかけていては、徐々に、しかし、確実に距離が開いていく――


「どうした、それでは追いつけないぞ」


そんなことはわかっている。


でも、追い付く方法が――――

いや、私が追って追いつけないのなら、ショウ兄さんを足止めするしかない。


となると、魔法や気功での遠距離からの攻撃だろうか。

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