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空中戦
高度はある。
しかし、スピードはない。
まるで無防備に跳びあがったように見える――
だが、だからと言って馬鹿正直に行ってはいけないことを私は知っている。
「はっ!」
同じく跳躍。
真正面から突っ込むのではなく、同じ高度で、同じ距離感を維持する。
「ショウ兄さん……『エアロ』!」
罠の可能性は十二分にある。
けん制のための簡単な魔法。
と、ショウ兄さんは笑みを浮かべる。
「流石に学習能力はあるか」
成長を喜ぶかのように言う。
だけど、それはどちらかというと侮られていることに近かった。
空中で、剣を構える――
「っと」
簡単にナイフで魔法を跳ね返す。
その行動が僅かでも、ショウ兄さんの体勢を崩すことになる――
「『隼剣』!」
剣技に限らず、足場がなければ、地面を蹴ることによる加速はかなわない。
だが、気功や魔法の膜を展開することによって、疑似的な足場を一瞬構築出来れば、空中であっても、
それを蹴る加速は可能だ。
とは言え、スピードでかなわないことは結論ついている。
これもまたけん制に過ぎない。




