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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第13章 覚醒する少女
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猪突

「……わかりました」


開始の合図さえ、私に委ねる……


だけど、プライドなんて、今は邪魔なだけだ。


ましてや、相手がショウ兄さんであるのなら……与えられた特権(ハンデ)を活かさない理由はない。


「……」


呼吸を整える。


そして、覚悟を決めた。


「――っ」


タイルを踏むと同時に蹴った。


一直線に、ショウ兄さんへと距離を詰める――!!!!


そして、すぐに手が箱に触れようとした。


「それじゃあ、駄目だな。芸がない」


まるで、すり抜けるように箱が消える。ショウ兄さんが消える。


いや、消えたというのは私の錯覚だった。


まるでスライドするように、横に(かわ)された。


いや、そんなことは想定の内だ。


すぐに追って、追って、追って―――


「――あれ」


どうして、追えない?


いや、そもそも、どうして、()()()()()()()()


いや、簡単なことだ。


私はショウ兄さんに足を引っかけられて、倒れかけ、

その体勢のまま押し上げるように足を上げられたことで、前のめりに倒れることになった。


問題は、私がそのことに一切、気付けなかっただけで――――――

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