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忠告
「準備は出来たか?」
ショウ兄さんに言われたことで、もはや邪魔になった変装用のマントを脱いで、シンシアさんに預けた。
「お待たせしました」
「――」
ショウ兄さんはマントを脱いだ私の姿を一瞥した。
「――そちらに制約はない。なんの武器を使っても、使わなくても」
剣の携帯はいつだってしている、当然、今も。
重量の分、速度が落ちるかも知れないが、ナイフとのリーチ差を活かすことも出来るはずだ。
それに――
「お気遣いありがとうございます。ですが、徒手空拳には後からでもなれますので」
あえて、選択肢を狭める必要もない。
「当然、魔法も制約しない。街に被害が出ない程度にな」
考えて使わないといけないのは確かだ――――とは言え、スピード重視の場では、
一瞬でも発動にラグのある魔法はあまり選択には――
「先に強化魔法を使っておけばいいだろう」
「!」
確かに、今まで使えたのだけど、あまり、使った覚えがない。
今回のような格上相手なら、使っておいても損はないだろうけど……
「事前に、ですか?」




