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何度目かの展開
「ショウ兄さん……?」
「そうだなぁ…………クリス、他のきょうだい達とは会ったか?」
「は、はい、居場所がわかってる何人かとは、会いました」
「なら、その時々で、戦うことになったんじゃないか?」
「え、ええ、理由やきっかけは違いますが、何らかの形で戦うことは多かったと思います」
「やはり、そうか」
ショウ兄さんはふっと笑うと、お金が入っている箱を閉めた。
「みんながみんな、末の妹の成長を見たいんだろうな」
「……!では、ショウ兄さんも……?」
「……こうしようか」
と、ショウ兄さんは箱を左手で抱えたかと思うと、右手にはナイフが握られていた。
「金を返してほしくば、力づくで取り戻してみろ」
考えられた展開、他のきょうだい達ともやったことだ。でも――言っては悪いけど、今までとは違う。
ショウ兄さんはアル兄さんのパーティーにいたのだ。
そうでない他のきょうだい達とは、実力は一線を画す――
だけど、それでも――
「……わかりました」
この勝負、受けるしかない――




