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見えていた、見えていなかった結果
「うぉおおおおっ!」
なりふり構わず、勢いそのまま、押し込む。
正体なんて、とっくにばれてる。
構わず声を、叫び、雄たけびを出した。
「ぐぅ……っ!」
腕が先に倒れていく、この勢いならいけるかも知れない――
「文字通り、力をつけたな、クリス」
その声に、余裕なんてものを感じた。
「――――」
「だけど、兄の矜持としては、妹に負ける訳にはいかないな」
「っ!」
ぐん、と押し戻される。
決死の思い、渾身の力で必死に押し込んだはずの腕は、角度を戻していく――
「あっああっ……!」
思わず、感情が声に出る。
立て直された。
イコール、それは、もう私は勝てないということだ。
心が折れる――よりも先に、敗北が決まった。
私の手の甲が机についていた。
「え――ど、どういうことですの!?」
シンシアさんは理解が追いついていないようだった。
それでも、私にとってはあまりにも予想通り。
全力どころか、汚い手をつかっても負けた。
「――シンシアさんの言葉を借りるなら、”隕石に当たった”んですよ、私達は。
この人は私の兄の一人、次兄のショウダウン兄さんです」




