金策
「本当にいいの……ですか?」
「もちろんです」
ということで、すぐに行動に移した。
まずは官憲の駐留所で届け出を出す。
そして、話し合いだ。
「とはいえ、どうするべきか……」
シンシアさんは頭を抱えた。
「大きな街ですし、日雇い労働なら、いくらでもあるとは思いますが」
「地道に働くというのは大切なことだとは思いますが、条件面が余りよろしくないですわ」
「条件?」
「大抵、日雇いというのはそういうものです。
環境が劣悪だったり、保証がなかったり、賃金が安かったり……
期間を伸ばすために滞在費を稼ぐという考えかたも出来ますけど、
クリシュナさんには急ぎの用があるのでしょう?」
「それはそうですけど……」
だけど、働く以外の方法なんてあるのだろうか?
それこそ、人に言えない方法ぐらいしか思いつかない……
「まぁ、家のほうに送金をお願いしましたから、最後の手段にはなりますわ」
シンシアさんは旅先から、実家の方に手紙のやり取りをしている。
もちろん、シンシアさんの居場所はその時々で違うのだけど、追加料金を払うことで、
次の滞在場所、さらに次の滞在場所へと輸送先を変えることの出来る郵送方法がある。




