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使ってはいけないお金
お金の管理はずっとシンシアさんに任せてある。
弁済についての話し合いはシンシアさんに任せきりになってしまった。
「……」
話し合いが終わると、シンシアさんはお金の袋をじっと見つめていた。
病院の修繕費に怪我をした人達への治療費。
加えて、一つ一つ見積もりが出るまでの時間も割けない。
多少の慰謝料という意味でも、渡す金額にはイロをつけることになった。
「シンシアさん、その……」
「払える金額でよかったですわ。持ってる額を超えるなら、少々厄介なことになっていました。
ですが……運転資金がなくなってしまいましたわ」
シンシアさんが行っている商品の売買による商売。
それを行うためのお金を全て支払ってしまった。
「さて、どうしましょうか……滞在費はありますが、私の家に援助を頼むとしても、
到着まで何週間かかるか……」
「シンシアさん……」
「クリシュナさん……」
じっと、シンシアさんが私を見つめる。
そして、意を決したように口を開いた。
「……それでも、チヒロさんを追いますか?」




