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後ろ暗い者たちの行く末
ロアン達、降伏したマフィアは約束通りと言うべきか、集落から姿を消した。
どの道、彼らにはそうする他ないだろう。
どんな形であれ、組織を裏切り、薬物工場を失うというのは失態に他ならない。
抵抗したが、殺されたという図式にしておくことが、彼らにとって一番安全な選択だ。
別人として生きていくことになるのだろうけど、
それでも、”粛清”されるよりはマシだろう。
彼らがこれからどうなるかは、結局彼ら次第だ。
それも、また、これ以上私達に介入の余地はない。
やったことを顧みれば、幸福を祈ることはないけど、
彼らにも彼らなりの事情があったのだと考えれば、不幸を願うということもない。
特にアミテさん殺しも、偶然ながら、アミテさんが復活したことによあり、
なかったことには出来ないが、情状酌量の余地は生まれたと思う。
彼らを追い詰める意味はないと思える程度には。
故に”約束”を破る必要もない。
そう思い、私は自分を納得させた。
そして、あの夜から三日が過ぎた――




