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「セレナが……」
「まぁ、そういうことやから、あくまで、これは期間限定や。
セレーナはんが近くにいない限りはどうしようもあらへん」
「……」
それはそうだ。
アニスには悪いかも知れないが、アニスのためにセレナを置いていくことは出来ない。
そもそも、あくまで、テレパシーなのだから、アニスの耳が治ったという訳でもないのだけど……
「ま、それはともかく、や。
セレーナはんとのテレパシーなら、直接、アニスはんと”お母さん”を繋ぐことが出来るってことや」
「ほ、本当に!?」
「嘘言うたってしゃーないやろ。
あくまで、二人をセレーナはんを介して繋ぐだけや。
そこに他の人間は介入出来へんで?」
「そんな無粋なことはしません。
それなら、早くしてあげてよ」
「もちろん、そうしたいのも、やまやまやけどな……
周り見てみいや」
「……!アンデッド化した住民……」
そう、アンデッド化した住民達が遠巻きに私達を見ていた。
まるで取り囲むように……
「わたしとセレーナはん程簡単につなげられへん。
しかも、繋げてる間は無防備や」
「そんなことなら、任せて!」
私はあえて、剣を鞘に納め、みんなを庇うように前進した。




