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気丈
それでも、納得までは出来ない。
アニスもアミテさんも人間だ。
人間とそうでないものの境界線はわからないけど、
それでも、人間として生きているんだ、それが人間でなくてなんだと言うのか。
「まぁ、早い話が混血種やな。
純粋なモンスターがほとんど消えたことを考えるなら、モンスターよりも人よりやと考えてええやろ。
実際、先祖返りするまでは、見た目で変わりはなかったみたいやし」
「それはわかりましたけど……どうして、お話が出来ますの?」
「シンシアさん」
シンシアさんがよろよろとしながらも、私達の話に加わった。
「大丈夫なんですか?」
「ええ、傷は塞いで下さいましたから、少し血が減って貧血気味なだけですわ」
それでも、お嬢様育ちのシンシアさんには充分辛い状態だと思うけど、
シンシアさんは泣き言を言わない。
「それで、どうしてなのですか?」
「混血種と、使い魔……ルーツは違えど、本質的には近いって、言いましたやろ?
つまりは、主たる、セレーナはんを介することでコミュニケーションが可能ってことなんや」




