”アミテ”の本質
セレナ蝶は腰に手を当てて、説明しだした。
「さっき、ちらっと言うたと思うけど、本質的にアニスはんはわたしと近い存在やねん」
セレナ蝶と本質と近いと言うと……
「使い魔……?いや、でも、そんな雰囲気は感じないし」
「どちらかと言えば、他の要素や。
わたしは妖精に近い見た目しとるやろ?そして、今の”お母さん”を見てみぃや」
妖精……?
モンスターというくくりでは近いかも知れないけど……
「強いていうなら、自然系というか……虫のようなモンスターの要素がある、のかな?」
「せや、アニスはん達親子は、モンスターの血が混じっとるんやと思う。
せやから、他の人間よりは目立つ容姿をしとったんやな。
その証拠に、”お母さん”の今の姿は先祖返りしとるやろ」
「先祖返り……」
確かにそう考えると辻褄があう。
他の人がただただアンデッド化したのに、アミテさんの変化はその域を超えて、虫系のモンスターの要素を持っているように――
血という素養が、アンデッドというモンスター化したことで目覚めたのではないか……
それに、集落の人間の親子への迫害も見た目以外に、モンスターとの混血を知っていたのなら、
多少なり、理解出来る要素は出来る――




