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旋風の本質
庇うと言っても、
そもそも、先に私をすり抜けた技とアミテさんの間に割って入るのは位置関係からして難しい。
だから、技の後方。
逆にアミテさん側に飛び込むように当たりにいった。
直接庇うことが出来なくとも、技そのものを私自身にぶつけることで消失させればいい。
だが、その旋風は私が触れたと思った瞬間、消失した。
「――え」
「――ちっ」
舌打ちが聞こえたと思った時には全てが遅かった。
チヒロは剣を振るい、私はその身に受けた。
「うあっ!?!」
反応は出来なかったが、辛うじて致命傷を避けたのは母のペンダントが守ってくれたからだった。
私はのけぞりながら、体勢を持ち直そうと剣を握り、前を向く。
チヒロは剣を振るい終えると、追撃はせずに元いた位置に戻った。
不可解なのは、その戻る動作が一切見えなかったこと。
そもそも、一撃を喰らった際も、急に現れたかのようだった。
踏み込みも、退く時も、私が認識さえ出来なかった。
強いてわかったことは、今の一連の流れが全て、『閃沙・旋風』の全てだったということだ。




