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シナリオ『戦い続けるモノ』
龍を追うものは龍になる、と言う――
そう言う意味では、ワタシはもう既に龍なのだろう。
この世界に跳んで、どれくらいの時が経ったのだろう?
ワタシは何も知らなかった。
知らなかったから、戦うことが出来た。
終わりがないことを知っていたのなら――どこかでやめてしまえばよかったのに。
ワタシが初めて魔王を倒した時、それでワタシの役目が終わったのだと思っていた。
だけど、魔王はいつか復活する。
魔王ある限り、勇者はいなくなることを許されない。
ワタシは世界の守護者だから――
勇者だから、魔王を倒したのではない。
魔王を倒したから、勇者になったのだ。
そのことにはじめから、気づいていたのなら、こんなことにならなかったのに――
何度魔王を倒しても、
何度世界を救っても、
ワタシは終わらない。
これはいつまで、続くのか?
魔王が絶えるまで?
世界が終わるまで?
それならばせめて――
ワタシの目を二度と覚まさないで――




