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貫通力
重ね合わせた仮称アミテの刃。
それを私の剣先は”差し込まれて”いった。
先程の剣戟との違いは”貫通力”。
気功の『マグナム』と剣技の合わせ技によって、
あがったスピード、強度、破壊力は全てその”貫通力”として、
それまで、受け止められていた刃を突き破った。
あくまで、これは剣による『ソード・マグナム』だから出来たこと。
『マグナムナックル』で斧を突き破った時だって、刃はこちらを向いてはいなかった。
どちらかと言えば、形状の問題だ。
それに、私は自身の拳よりも剣を信じている――
父から譲り受けた剣を信じている。
そして、突破口を開いた時点で、勝負は決していた。
相手の刃先が破れた時点で、そこから先は”貫通力”でこちらが敗れることはない。
中心の太い部分では強度が増すかも知れないが、既に破れた刃の抵抗力がどれほどのものか。
勢いそのままに、私の剣は貫いていく――
「――」
「――」
そう、難なく――
相手の刃を貫いて――
その先の腕も――
胸元へと――
――いや、待て!
そこまで、行ってはまずい!!




