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閃きへと繋がる発想
仮称アミテの身体が押し込まれて沈む。
二本の刃で受け止めることで衝撃を分散することが出来ている。
だと、しても、今は力押しだ。
剣の強度を頼りに刃に負荷をかけ続ければ――
負荷を――付加を?
「――」
体重を、力を乗せると言っても限界がある。
ならば、そこに何らかを付加出来れば、あるいは――
例えば、『マグナムナックル』とか――
「っ!」
自信の剣を緩衝材に『マグナムナックル』の負荷を相手の刃に通す――
いや、それはあまりに現実的じゃない。
要は剣に拳を重ねて、剣を盾に『マグナムナックル』を放つということだけど、
そもそも私の剣は両刃だ。
ただでさえ、鋼鉄を緩衝材にするという発想が奇異なのに、
それなら、直接『マグナムナックル』をぶつけた方がマシだ。
だから、この発想そのものは没だ。
だけど、突破口になる発想へと繋がる。
やりたいことはわかる。
ただ、方法が間違っているんだ。
要は、剣に『マグナムナックル』の性質を持たせたいのだから――
剣そのものを『マグナムナックル』にしてしまえばいい。




