662/1085
未熟な弾丸
だけど、むしろ、近寄ってくれる分には好都合だ。
当てやすくはなる。
「――――セット」
仕切り直す為に体勢を戻し、迫る仮称アミテを見据える。
そして、気功の生成に集中しつつ、今度は逆に迫る仮称アミテをぎりぎりまで引きつける。
「――『ショット――』」
右の掌を突き出す。
瞬間に、駄目な予感がした。
精密な操作がなくても当てれれると言ってもそれはあくまでそれは当てることに関してだ。
当たり所のことは考慮されていない。
ピンポイントに刃に当てて、それを折るコントロールは、ない。
「っ――『マグナム』ッ!」
場合によってはアミテさんを殺してしまいかねない。
それを考えた時、自然と威力を弱めていた。
「!?」
放った弾丸は弱めた威力のまま、仮称アミテの胴体を捉えた。
それでは決め手にはならない。
仮称アミテは仰け反ったが、不完全かつ弱めた『ショット・マグナム』ではすぐに勢いを取り戻し、
刃を振るってくる。
私はそれを逆手に握った剣で受け止めながら、理解した。
私の『ショット・マグナム』では駄目だ。
私の未熟な腕では実戦に扱えるレベルではない。




