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ノーコントロール
不穏なものを感じてか、仮称アミテは飛び退くように後退する。
まだだ、『ショット・マグナム』の有効射程は広い、ギリギリまでコントロール出来る範囲まで粘って、
コントロールを――コントロール、を……
「……くっ」
出力が、安定しない。
圧縮する気功が……上手く収束しない。
駄目だ。これ以上距離を取られては――
「っ……!『ショット・マグナム』ッ!」
ギリギリのギリギリの距離で放つ。
しかし、放った瞬間、駄目だと悟った。
すぐに収束がほどけてしまい、放った気功が散り散りに放れていく。
「――?」
仮称アミテに当てることは出来た、しかし、これではまともな威力にはならない。
少しの衝撃と風圧が仮称アミテを包んだ程度で、それではまともなダメージにはならない。
もう一度だ。
もう一度、ちゃんとした『ショット・マグナム』を繰り出さなければ……
「――!」
私の様子を見て、距離をとった仮称アミテが今度はその距離を詰めてきた。
私が繰り出した先程の『ショット・マグナム』を見て、脅威にはならないと判断したのか――




