パニックホラー
「っ!!」
『蝶』は私や他の住民達を無視し、ロアンに飛びついた。
「!?」
『蝶』がロアンの首根っこを掴み、押し倒す――
「――――」
”約束”は、しかし――
私の想像通りなら、『蝶』がロアンを住民を襲うことを咎められるだろうか――
だけど、そう思考するより先に、身体は動いていた。
「はぁっ!」
飛び蹴りが『蝶』の胴体に直撃し、ロアンから『蝶』が引き離される。
ロアンは勢いのままその場に倒れ、『蝶』は吹っ飛びながらも、宙でその勢いを殺した。
「……も、モンスターなのか?」
その呟きに呼応するように、『蝶』はロアンを向く、
蹴られた胴体の傷は塞がっていった。
「あ、”アンデッド”!?」
「……いえ、違いますよ。この人はきっと――」
「きゃああああああああっ!!」
空を裂くような、悲鳴。
見ると、そこには住民が住民を襲う光景が見られていた。
襲っている側の目は映ろ……それこそ、まさに……
「……そっか。そういう事、なんだ……」
「え!?」
思えば、消化活動もしない住民に違和感があった。
それの答えもきっと、これだ――
「『アンデッド』は人を”不死者”に近づける劇薬……
大量の『アンデッド』を燃やしたことによって、その素養を持った人達が目覚めてしまったんです!」




