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マフィア流錬金術
「…………それは、そうです」
「原材料を加工品に変えるとは言え、そのまま渡していたんじゃあ、余所に売り出す分がない。
あなた達は、そこを切り詰める……住民への報酬を少なくすることで、儲けを出していたんですね」
「その通りです」
「加えて、お金ではなく、専用の”引換券”。それにより、報酬を『アンデッド』一本にした。
間に”引換券”を挟んだのは……誤魔化すためですか?」
「全くもって、その通りです」
ロアンと住人のやり取りを思い出す。
彼らの想定の通りに、原材料と加工品を直接交換しては、分量の差に不満が出るだろう。
それを”引換券”と交渉による販売にすることでその差を誤魔化したのだ。
ましてや、相手は『アンデッド』の依存性にやられて、まともな判断も出来ていたか怪しい話だ。
「逆に言えば、少量の「アンデッド」で、
大量の”ラムノック”を手に入れる仕組みにしていた、ということですか」
地下が加工工場だとするなら、それで『アンデッド』は大量生産出来る仕組みになっている。
集落の人を薬漬けにして、なおかつ、搾取することで、だ。




