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それでも、約束を守れますか?
私はそのまま、本気でその場を離れようとしたその時だった。
「……わ、わかった!」
あまり、語った内容そのものに意味はない。
選択の機会を与えつつも、時間制限を設ける。
それで飛びつく人間か、動けない人間かは半々。
ロアンは飛びつくほうだとは予想出来ていた。
「話したら……本当に死体偽装、してくれるんですね?」
「ええ、約束しますよ」
私は少しでも緊張をやわらげようと、笑顔を作った。
「……知りたいのは死んだアミテのこと、ですね?」
「勿論。ですが、あなたが知ってることは全部話して下さい」
「そう……ですね。そうしないと語れないかも知れない――」
そう言ったロアンだったが、言葉が詰まっていた。
そして、意を決したように、私を見据えた。
「でも、全てを知った上で、自分を助けようという気になりますか?」
「――っ!あなたが、アミテさんを――!?」
「そうだ、と言ったらどうしますか?」
「………………」
ロアンは、ほとんど自白したようなものだ。
考えてみれば、充分に有り得た話だ。
アニスにとって彼は”仇”に他ならない。
なら、私にとっては――?




