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人体のレシピ
「…………い、いや、だが、そんな……」
ロアンは明らかに動揺していた。
覚悟はあったのだろう。
それでも、目の前に希望が現れて、心が動かされないほうがどうかしている。
「まぁ、死んだことになる以上、直接、大切な人に会いに行ったりは出来ないでしょうが」
それもあくまで、組織の側に生存を確認されないためだから、
上手く立ち回れるなら、どうにかなるかも知れない……
とは言え、お互いの安全のためには二度と合わないほうがいいのだろうけど――
「ただ、それだけを守り、別の人間として生きることを選べば、あなたは死なずに済みますよ。
あなたが全てを話してくれれば」
「い、いや、そもそも、死体偽装なんてどうやって……」
「一から作るんですよ」
「は?」
「人体を構成する物質とその割合は酸素65.0%、炭素18.0%、水素10.0%、窒素3.0%、カルシウム1.5%、リン1.0%、少量元素0.9%、微量元素0.6%……これを魔法で構成します」
「は……は!?」
構成どうこうはググったもののコピペそのままです




