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射出装置
「アミテさんの埋葬方法が、土葬であるなら、今からでも調べれなくはないと思うけど……」
「いえ、流石にそれは……」
手段は選びたいし、選ぶべきだと思う。
墓荒らしのような真似はしたくないし、するべきでないと思うのだ。
「ただ、一度、アミテさんのお墓は見ておいたほうがいいかも知れませんね」
そこで成果は生まれないかも知れないけど、見ておくことでアニス以外の被害者を実感すべきだとも感じた。
もちろん、成果が生まれるに越したことはない。
明確な証拠を、私達は欲していた。
「そうだ。クリスちゃんにも話しておかないとね」
「なんですか?」
「見つけたよ、アニスちゃんを狙った仕掛けの痕跡」
「え、本当ですか?」
するとシンシアさんが、少し離れた場所の木の幹を指差した。
「ここに、不自然に力が加わった痕跡がありますわ」
「こっちにもね」
ちーちゃんも同じように、別の木を指差した。
指の先の幹には強い力が掛かった線があった。
「多分、これはゴムかなにかを固定した跡だと思う」
「巨大なパチンコ……ですか」




