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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第12章 衝突する少女
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瞳に映るもの

私はアニスと同じ目線に腰を下ろし、手話での会話を試みた。


「えっと……”聞きたい、こと、あります”」


アニスはすぐに返事を返した。


『どうぞ』


「”お母さん、話、聞かせて、下さい”」


アニスは返答を考えているようだった。


ただ、今必要な情報はある程度決まっている。


「”薬師、だった、お母さん、の、話、して欲しい、です”」


アニスは了承するように頷いた。


だけど、そこで話されるのはあくまで、親子の思い出だ。


微笑ましい話ではあったものの、最後まで耳を傾けたが必要な情報は出ない。


そこで、私はアプローチを変えることにした。


「”辛い、話、だと思う、けど、お母さん、死んだ、時、話、聞かせて、欲しい”」


アニスは驚いたような表情になった。


そして、まっすぐに私の目を見つめてきた。


全てをクリアに見通すような、綺麗な目だった。


私はそのまっすぐな視線にまっすぐ見つめ返した。


恐らくは私の真剣度合いを図っているのだろう。


子供を子供と(あなど)ってはいけない。


経験という先入観がない分、時に本質を見抜くのだ。


だから、私は精いっぱいの誠意を、その目に返した。

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