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”殺意”の解剖
「明確な、殺意ですか……」
シンシアさんは、どこかひっかかりを感じているようだった。
「どうしたんですか、シンシアさん?」
「いえ、それならもっと確実な方法があったのではないかと……」
と、そこで、シンシアさんはアニスの方を見た。
聞こえてはいないだろうけど、本人の前でする話ではないかも知れない。
そう考える一方で、結論次第では本人に伝える必要があるとも考えた。
命を狙われているのなら――
「確かに、もっと単純な方法はあると思います。だけど、逆にこうも考えられませんか?
そういう単純な方法は取れなかった、としたら?」
「……なるほど」
すると、ちーちゃんは二本指をシンシアさんに向けた。
「例えば、こうして単純に銃で殺したとする。
そうなると、どうなる?」
「え……?」
「答えは殺人ということが分かる。”事故”じゃなくてね」
「あっ……え、ですが……」
「うん、投石で死んだとしても、それは殺人。
だけど、そこにある”殺意”は多少なりとも薄れるね。
それに石と銃弾じゃあ、”誰がやったか”も変わってくる」




