死に別れた母
人はそう簡単に環境を変えられない。
それは確かにその通りだと思う。
「……でも、結局は集落から追い出される形になったんですよね、アニスは」
「そうだね」
「その理由は聞けたんですか?」
「残念ながら……そこまで突っ込むのは躊躇われたから……聞けてない」
「そうですか……」
「ただ、変わりといってはないけど、身の上話のついでに、お母さんのことは聞けたよ」
「あの子のお母さん……」
集落への関わりという点では、アニスの母の方が深いだろう。
有用な情報があるとも限らないが、折角の情報だ。
聞いておいて損はないだろう。
「名は”アミテ”というそうですわ」
「アミテ……確か、お墓はこの辺りにあるんですよね?」
「ええ、集落の外れに墓地があります。そこで眠っているそうですわ」
墓地……お墓……何かあるとも限らないけど、後で行ってみるだけ行ってみるのもありかも知れない。
それだけ解決に繋がりえる情報が枯渇していた。
「死因は病死だそうですわ」
「病気……」
違法薬物が身体に与える影響を考えた。
どこまで関連性があるのかは、わからない。
ただ、集落の現状とアニスの現状が全く無関係とも思えなかった。




