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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第4章 断罪される少女
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天然モノ

「楽になったのだったら、不要かも知れぬが……せっかく作ったのだから、食べていきなさい」


そう言って、ラン兄さんは持っていた器を差し出した。


「あ、薬草粥」


「ああ、精がつくように鶏肉と薬味を多めに入れてある」


「ありがとうございます」


私は差し出された粥を一口食べた。


「あ……この味、懐かしい」


風邪の頃に母が作ってくれた薬草粥と同じ味付けだった。


「ん……そうか」


「作らせるって言ってましたけど、ラン兄さんが作ってくれたんですね」


「……」


ラン兄さんは首を掻きながら、そっぽを向いた。


照れている時のラン兄さんの癖だ。


「セレナも一緒に食べよう!美味しいんだよ、これ」


「ん……れんげはその一つしか持ってきてないが」


「大丈夫ですよ。ほら、セレナ、あーん」


「えっ……あ、あー……ん」


私が差し出した粥をセレナはゆっくりと咀嚼した。


「おい、クリスは気にしないかも知れぬが、セレーナ殿はそうとも限らんのだぞ?」


「そうですか?でも、口移ししたこともある仲ですし」


「!?」


「!!」


セレナは急に顔を真っ赤にした。


「どうしたの?」


「い、いえ、なんでもないです……」


「……あれ、ラン兄さん?」


ラン兄さんは鼻を押さえていた。


「……鼻血ですか?」


「う、うむ。少し、稽古に力を入れ過ぎたようだ。」

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