表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第4章 断罪される少女
57/1085

意地

初めの内は理解することさえ叶わなかった。




十回目でやっと、一度の振りではなく、脅威的なスピードで、放たれる二度の振りだと気付いた。





三十回目、少し真意に気付く、初撃の真正面さは、あえて受けさせることにより、

次の一振りを通す為の起点になっていると。





四十回目、気付いたところで対処は出来ない、真正面から来る以上、受け止めざるを得ない、

回避に専念しようとしても、必ず二度の振りのどちらかに捕らえれられる。






四十七回目、集中力が限界に来ていた。だけど、まだ終われない。

まだ、この技の真意に至ることさえ出来ていないのだから。






六十四回目、かろうじて掴んだ。

初撃をどんな防ぎ方、躱し方をしても、変幻自在の二振り目が此方を捉える。

故に無形――回避不能の二振りで確実に此方を仕留める必殺の技だ。






八十二回目、理解したところで破る手立てはなかった。

剣技、気功、魔法……どんな方法も掻い潜り、あるいは突き破り、此方を捕らえてくる。






九十九回目、ついに肉体の限界が来る。

集中力の代わりに保っていた根性も身体が使えなければ意味はなかった。







「はぁ……はぁ……」



ついに私は膝をついた。



「……潮時か、理解は出来ただろう、今のクリスではどうにもならないということも」



「……そう……ですね……悔しいですけど」


「そんな状態では、出発は出来ないだろう。栄養のつくものを作らせよう。

それとも、出発は延期するか?」


「いえ……今日発つことは変えません」


「では、少し休んでいなさい」


「はい、ラン兄さん……」


「うん?」


「ありがとう……ございました……」


「うむ」


私は背中から倒れ込むと、すぐに意識を失った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 三男は侍の風格だな。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ