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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第4章 断罪される少女
55/1085

頂の先

翌朝、私はラン兄さんと道場で向かいあい座っていた。


「……クリスよ。何度も言うようだが、長兄殿を探すというのは茨の道になるだろう」


「はい」


「長兄殿は極みに至りし者……極みとは超えることは叶わぬもの、

だとしても、極みに届かねば長兄殿を探すことは困難であろう」


「……」


「おれは他のきょうだい達を差し置いて、父の『剣聖』の名を受け継いだ」


「はい」


「されど……この(いただき)は未だ極みには届いておらぬ」


「……!」


「剣ならば……剣だけであれば、と想っても長兄殿には未だ届いておらぬ」


「……」


「剣だけならば、他の誰にも……他のきょうだい達にも、

現役を退いた父でさえ敵ではないと自負している。

それが『剣聖』としての誇りだ。なれど、『極めし者』には届かなかった。

これが、どういうことか、わかるな?」


「アル兄さんに届くにはラン兄さんを越えなくてはいけない、ということでしょうか?」


「左様。故に……今から、おれが至った最良の太刀を見せよう」


「最良の……太刀」


「そうだ。長兄殿がいる以上、最強とも極みとも名乗ることの出来ぬ。

されど、これを越えねば、長兄殿には届かぬ」


「……」


急に緊張で喉が乾いてきた。


「フ……今、乗り越えよとは言わぬ。それではおれ自身面目が立たぬ」


「あ……は、はい」


「これは宿題と言ったろう?まずは見よ、そして考え、鍛えるがいい」


「は、はいっ!」


「うむ。さぁ、剣を取れ」


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