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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第11章 強くなれ少女
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かつての勇者譚 8

「はぁ……はぁ……大丈夫か、みんな?」


「俺はまだ戦えるぞ」


そうは言うアレックスだったが、手入れもままならない環境で、斧も槍もハンマーも消耗し、

気休めに切れ味の落ちて、なまくらと化した剣を持ちながら、ほとんど身一つで戦っていた。


故に肉体も、その身を守る鎧も限界に来ていた。


それでも、彼は身体が動く限り戦い続ける。


「僕は大丈夫だけど、聖水のストックは?」


大丈夫、と言うがリチャードは指示がなければ、仲間の傷に気付けないほどに疲労していた。


「……あと三本、これでラストだ」


レオンは最後の聖水を差し出す。


右手で差し出すが、その右手も震えていた。


それだけでなく、ボウガンの矢は全て撃ち尽くし、

ロープも全て消耗し、左手を縛っていた最後のロープを使っている。


「強がりばっか言ってないで、正直に疲れたっていったら、どう?

とても、余裕あるようには見えないけど?」


そういうミーナも例外ではない。


先ほどから使う魔法は、戦いの中で生まれる瓦礫を操作するものばかりだった。


それは魔法を節約している訳だが、どちらかと言えば節約せざるをえないというほうが正しかった。

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