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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第11章 強くなれ少女
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かつての勇者譚 7

最深部に近づけば近づくほど戦いは激しさを増していく。


普段であれば、一体いれば、それを討伐することが目標になるような、所謂”ボスクラス”。


それが、行く手を阻む雑兵のように立ちふさがる。


「でやぁっ!」


アレックスの捨て身じみた体当たりに、赤いドラゴンは一瞬(ひる)んだ。


「今を逃すな、ミーナ!」


「『ロックマシンガン』!」


レオンの指示に従うように、ミーナは間髪あけずに、瓦礫をドラゴンに撃ち込んでいく。


そして、全てを撃ち尽くすと、ドラゴンはぐらりと倒れる……直前に足を踏み直し、踏ん張った。


「!」


「ォォォォオッ!」


ドラゴンは息を大きく吸い込んだ。


それは、炎のブレスを吐く直前の予備動作に他ならない。


「リチャード、トドメを!」


「はぁっ!」


リチャードは聖水の瓶をドラゴンに向けて放り投げた。


「『破ぜろ、そして貫け、汝は槍也――』」


リチャードの詠唱に従い、聖水の瓶が空中で割れたかと思うと、

聖水は四方八方上下左右から、ドラゴンの身体を貫いていった。


「……ググッ!」


ドラゴンは既に死に体だ。


それでも最後の意地か、中の炎を吐きだそうと、口を開こうとする――

――のをレオンのロープが縛りつき、それを許さなかった。


「悪いがそれを余分に喰らう訳にはいかない」


ドラゴンは遂に力尽き、倒れた。

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