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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第11章 強くなれ少女
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かつての勇者譚 6

そうなった場合、

恐らく一番最初に倒れるのは回復をしながら、戦闘もこなすリチャードだろう。


そして、その場合、戦えないものを庇いながら戦い続けれる余裕など、この最終決戦の場面でない。


つまり、真っ先に死ぬ覚悟はあるのか?と、レオンは聞いていた。


「わかってるさ。みんな全部わかってこの場所にいるんじゃないの?」


こともなさげに、リチャードは断言した。


全てを覚悟して、勇者パーティーはここにいる。


その一人一人が……


「……え?」


重荷にならないよう、知らされていないチヒロを除いて……


「……」


レオンは叫びたくなる衝動を抑えた。


今まで隠し通してきた以上、今、チヒロに知られてメンタルに不調をきたされては困る。


故に最後の最後まで、知られては困る。


「……レオン、決断を。他に選択肢なんて、ないじゃないか」


当然、リチャードにもその覚悟があるのは、重々承知していた。


しかし、それでも、切り捨てる順番は一番最初ではないと、他の誰もが思っていた。


パーティーの中でひときわ若い……子供を。


リチャードは真っ直ぐに、レオンを射抜く。


全てを受け入れたはずの瞳は誰よりも澄んでいる……まさに聖者だった。


「……ああ、その通りだ」


レオンは鞄から聖水の瓶を二本取り出すとリチャードに投げ渡した。


「……先を急ごう。時間が惜しい」


レオンは自身の左手の震えを抑えるように、ロープを強く縛りつけた。


強く縛り過ぎて、ロープの隙間から血がしたたり落ちていた。

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