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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第11章 強くなれ少女
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かつての勇者譚 2

「なんなら、露払いは全部俺に任せてくれていい」


「ちょっと、ここは魔王城よ?いくらなんでも一人じゃ無理よ」


「だが、俺は継戦能力の高さがウリなんだ。

ミーナ達にも本命まで魔法燃料を節約してほしい」


「……でも、敵はそうはさせてくれないようよ?」


「……!」


パーティーの前方に巨大なスライムが四体鎮座していた。


「スライムか?だが、いかに大きくともこの程度」


「待って、アレックス!」


巨大なスライム達は身体を持ち上げたかと思うと、その真の姿を見せた。


「これは……ゴーレムか!?」


「……スライムとゴーレムの混合種(ハイブリッド)、どちらも物理方面に強い種ね。

だったら、ここは任せて」


後方に控えていた魔法使いが、アレックスから半歩前に踏み出した。


「『インフェルノバスター』!」


巨大な火炎がスライムゴーレム達に襲いかかる。


スライムゴーレム達は上半身を炎で吹き飛ばされてなおも、前進をする。


だが、その辛うじてのこった下半身も、なおも浴びせられる炎と吹き付ける熱風が焼き尽くした。


「ミーナ……」


「強襲に時間はかけられない。

チヒロの温存はわかるけど、あたしらは出し惜しみなんて出来ないでしょ」


魔法使いミーナ……当時の最高位魔法学園で創立以来の『天才』だと言われていた。


長身で長い髪をなびかせるクールな見た目をしている割に、

子供っぽい論調で話すギャップが印象的だった。

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