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骨折り損
「ここまでするなんて……どんな情報なんですか?」
「……」
「どんな重要な情報なんですかっ!?」
「アル兄さんに繋がる情報は…………ないのよ」
「……えっ?」
想定外の返答に私の頭は真っ白になった。
「ど、どういうことなんですかっ!」
声は裏返り、思わず掴みかかるところだった。
「落ち着きなさい。とりあえず、最後まで聞きなさい」
「う……」
私は手をぐっと握ることで、感情をぐっと抑えた。
「何から話すべきかしら……
そうね、アタシはこうして道場を構えながらも、アル兄さんの情報を集めてた」
「……」
「情報筋は『パラガム』の情報局からの信用出来る筋からよ。
国軍に対して、武術指導をする見返りとして、ね」
ラン兄さんと同じような形をこの国で行っているということだろう。
「そして、雑多ながら、目撃情報を得たりしていたわ」
「……?だったら、その情報を教えてくださいよ?」
「”嘘の”目撃情報だったけどね」
「……はい?」
「自分で調べられる範囲で全て調べたわ。そして、その全てが捏造とわかったわ」
「!?」




