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セット
「理屈はあらかじめ言っておくわ。圧縮とそれによる反発がキモよ」
「え?」
「核となるのは気功撃のような波弾。それをナチュラルな気功をコーティングするように圧縮していく」
掌の球の中で性質の違う気功が同時に存在していた。
「あとは拳にやるように細部にまで行き渡るようにする。
ただし、同時に圧縮を加えつづけることを忘れない」
掌の中の球が、どんどん濃厚な色を帯びていく。
「最初は、核を作らないほうがいいわ、暴発の危険があるから。
威力は落ちても単純な気功の圧縮でも、それなりの技にはなるわ」
そういうと、ミカ師範は出来上がったのか、掌の球を掴んだ。
「自身の最大限の気功強化を施しなさい。そしてその中での圧縮――
当然ながら、この球体が小さければ小さいほど圧縮出来ている。
よって、そこから生まれる反発力は大きくなり、威力も高まる」
すると、ミカ師範は道場の扉を開いた。
「アンタ達、ちょっと下がっていなさい」
門番や、扉近くにいた門下生達をどかした。
丁度正門前は山間で開けているが、まさか――
「見てなさい、これが――」
ミカ師範はぐっと右腕を引き絞った。




