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ガソリンタンクの底
問題はとういうアプローチをするべきか、だ。
キュウさんは座禅を組んで、精神面で気功のコントロールをしようとしているようだけど……
私は肉体面からのアプローチを試してみよう。
”円”の動きを繰り返し続ける。
その中で通常の動作との違い……何が必要なのか試してみよう。
ひとまずは愚直に繰り返し続けること。
試行回数を増やせば、見えてくるものもあるかも知れない。
「よし」
パン、と両手の指を組み合わせた。
そして、キュウさんと同じように両手を開いた構えをとる。
まずはキュウさんの模倣。
そして、徐々に自分の動きへとシフトしてみよう。
――
そして、一週間経った。
「はぁ……はぁ……」
この一週間、私は動きの研究を続けてきた。
睡眠時間さえも削り、自分の体力の続く限り、繰り返した。
そして、私はついに体力の限界に、たどりついてしまった。
「流石に休もう……」
私は道場の床に大の字に倒れ込んだ。
休息を取らずに続けるのは効率が悪いことはわかっている。
ただ、活動可能時間がまだまだあるのに、そこで切り上げるという選択は私には出来なかった。




