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踏みにじられる者
要は動作によって補助されてる部分があって、それを私は通常の動作では出来ていないということだ。
「――あ、そう、か」
キュウさんが、模倣されることを嫌がった意味がわかった。
わかってしまった。
あくまで、これは気功を最優先にした結果の動作であって、戦闘において有効とは言い切れない。
キュウさんは、今、私と同じ位置にいるんだ。
そして、この先を見いだせずにいる。
その自分の”底”を他人に知られるのを嫌がった。
その気持ちは痛いほどわかった。
自分の限界を他人に知られるなんて、辛いことはない。
ましてや、その先を見据えている私に――
「――」
その姿は――その姿も位置関係が変わっただけで、私と同じだ。
全てを見せても、届かないきょうだい達――
それを思い知らされた私と――
「っ」
私は頭をぶんぶんと振った。
それでも、今はそんなことを考えてる時間がもったいない。
例え、キュウさんを傷つけることになったとしても、これは戦い。
勝負の世界だ。
私は、この先に行かないといけないんだ。




