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ブロウ
最初の投稿から追加してます
「――」
腕を振り抜く。
細部にまでめぐる気功は細胞単位で結束し、強化される。
そして、気功という”膜”による表面張力――
落下する斧をその瞬間、張りつかせることにより、抑えたのと同様になり、
そこに鉄をも貫く硬度と速度が加われば――
「――出来た」
そう、たったこれだけで、出来てしまった。
課題は”これだけ”で終わってしまったのだ。
しかし――ここで、終わればそれこそ0か100の選択と同じだ。
重要なのはここからの発展性。
ミカ師範の真意に至ること。
プロセスは本来と違えど、そこに至ることが必要だ。
ミカ師範の見せたそれはこの”円”の動きではなかった。
ということは少なくとも、”円”の動きを用いなくてもそれに近しいことが出来るということだ。
「……」
ならば、と試しに私本来の動きで、気功の流れだけをイメージしてやってみる。
「っ――はぁっ!」
拳を突きだす。
だけど、駄目だ。
”円”の動作でイメージは確かに出来ているはずなのに、
動きを変えると、気功が細部にまで行き届かなくなった。




