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選択の自由
「あの……それで、私は?」
「好きになさい」
「え?」
意図がわからず、困惑していると、ミカ師範は大きくため息を吐いた。
「もし、アタシがやめろと言えば、やめるの?」
「え、それは……」
「自分で、やると決めたらまるでしょ?アル兄さんの捜索をやめないように」
「……!」
「それだけの覚悟があるなら、止めるだけ無意味よ。それで課題をこなしたなら、認めてあげる。
ただ、仮に正攻法でいかずに命を落としたとしても、アタシは知らないけど」
ミカ師範の言葉には鳩尾にずどんと来るような重みがあった。
「一応は正攻法でいきなさいと言っておくわ。でも、キュウの言うように選択肢はアンタにある。
好きにしなさい」
そう言って、ミカ師範――いや、この瞬間はミカ姉さん、が私に背を向けた。
そして、キュウさんの方に歩いていくのが見えたが――私はそちらを見ないようにした。
でも、確かに言う通りだった。
結局のところ、何を言われようと、私のことは私が決めるしかない。
なら、私が出すべき答えは――――




