わかっちゃうよね
「やる気あるの?」
「……」
私が答えられずにいると、額に衝撃がはしり、私は思わず尻餅をついた。
「返事は?」
ミカ師範のデコピンだった。
デコピンと言っても、ミカ師範なら、リンゴくらい割れる。
「あ、ありますっ!」
しかし、次の瞬間、無情にも私の視界は火花が散った。
「な、なんでっ!」
「あからさまな嘘をつかない」
そうは言っても、ないと言っても同じ結果だったのではないか。
どっちに転んでも、もう一発デコピンなら、こんな理不尽はない。
「アタシに隠し事しようなんて、無理よ。正直になにがあったか、話しなさい」
「う……」
私はそこで嘘をつけるような人間ではなかった。
三日前にキュウさんとあったことを正直に話した。
ミカ師範は腕組みをしたまま、聞いていた。
「……そんなところです」
「ふーん、なるほどね。話はわかったわ。とりあえず……」
ミカ師範は腕組みを解くと、指をポキポキと鳴らした。
「キュウは折檻ね」
「はい…………えっ?」
「あの、馬鹿。余計なことまで話して!自分の技が盗まれたからって、不必要なことを話しすぎよ!」
「あっ、あー……」
ごめんなさい、キュウさん……そして、ご愁傷さまです。




