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逆転するスタイル
私はすくっと立ち上がると、キュウさんの構えを真似た。
「”円”……」
気功の流れをイメージしようとした、その時だった。
「『蛇咬』!」
「!」
キュウさんの突然の仕掛けに、私は戸惑いながら、両手で受け止めた。
その名の通り、蛇が咬みつくように、
両の手で抑え込むような動き――それを食い止める為に自然と私達の手は組み合った。
「まだ、終わってないでしょう!何をしてるんですかっ!」
「……っ」
キュウさんの言い分はわかる。
それでも、キュウさんと言う人間を観察した中で、仕掛けてくることに違和感を覚えた。
「はぁっ!」
「うっ……?」
突き放すような、力押し……キュウさんの戦闘スタイルではない。
「でりゃっ!」
飛び退こうとする私に、突進するキュウさん。
「――”円”の動きを」
意識すれば、模倣は容易だった。
キュウさんにキュウさんの動きで対処をする――
迫る腕を掴み、円の動きに合わすと、容易に受け流すことが出来た。
そして、その流れのまま、引き寄せ、腕を掴み――
「せいっ!」
「!?」
勢いそのまま一本背負いで投げ飛ばした。




