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見え始めた答え
「!?」
あえて、急所である頭を無防備に晒す突進に私は面喰ってしまった。
そして、顎へと延びるキュウさんの掌底。
私は上体をそらしながら、咄嗟に腕でガードした――その腕を掴まれた。
「あ――」
「はいぃっ!」
ぐるんと天地が逆転し、私は床へと――
「あ、まただ」
――背中から落ちた。
「っと」
投げた反動でそのまま飛び退くキュウさん。
しかし、私の頭には反撃のことなどなかった。
「また、”円”だ」
「おや、仕舞いですか?」
「どこまでも、”円”なんだ」
「――!」
私の声に硬直するキュウさん。
私はそれに構わず、上半身を起こした。
「キュウさんの戦い方は”円”が基本、それはわかってる。
その上でありとあらゆる動作が曲線……例えロスがあっても直線ではなく、”円”を描く軌道だ」
「……」
「でも、ミカ姉さんが見せた一撃は直線だった。
師弟なのに、戦い方が違う……」
「……」
「身体つきの違いはあるとしても、同じ流派でそんなことがあるの?」
「……」




