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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第11章 強くなれ少女
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横綱相撲を取れないもの達

「『扇風閃』!」


「!」


私の放った風の拳を、キュウさんは風の水平チョップで相殺した。


「っと!」


思考が乱れ、途切れそうになった私は咄嗟に飛び退いて、距離をとった。


「気功術ではない技を……」


「心外ですね、自分とて気功だけを鍛えている訳ではありませんよ?」


そう言われれば、その通りなのだが、どうにもキュウさんは気功特化というか――


「私には、気功のみを追い求める、求道者のように見えていました」


すると、キュウさんは目を丸くしたかと思うと、ふっ、と自嘲気味に笑った。


「自分のような半端者は、一つのことを極めれはしませんよ」


「……!」


まるで、私のようなことを言う……


「自分が未熟であることは承知しています。

されど、未熟だからこそ……それを認めたからこそ、出来ることがあるのです


「!」


僅かに、ほんの些細な変化だが、キュウさんの構えが変わった。


「では、今度はこちらから行きますよ……!」


基本系が受けであり、得意分野の気功も使わないといった、キュウさん。


その彼が、宣言する攻めに私は不気味なものを感じて、構えを深くした。

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