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成長の日々
そして、次の日からは前日との差異に注意を向けた。
繰り返しに思える日々におこる変化、それに注意を向けた。
特に門下生達一人一人に意識を向けた時。
僅かながらに、少しづつ洗練されていくことが分かった。
当たり前と言えば、当たり前だが、毎日の積み重ねで成長していくことが他者を通して実感出来た。
そして、次の日から、自身に集中を向ける。
他者へ向けた関心そのままに自身の成長を1秒毎に見守り続ける。
すると、確かに何らかの成長があった。
ほんの些細な変化ではあったが。
では気功という面ではどうか?
明確な何かがあった訳じゃない。
ただ、そんな日々の繰り返しで、私は確かに何かを掴まんとしていたのは確かだった。
そんなある日だった。
「……」
キュウさんを真似て座禅を組んで気功の流れを意識してみる。
明確に感じ取れる量は増えていた。
しかし、その全てを操作出来る域にまで至ってはいない。
「く……!」
私は奥歯を強く噛み、目を強く閉じたまま気功を操作しようと力を込めていた。
「クリスさん、一度休んではどうですか?」
門下生の一人に声を掛けられた。




