437/1085
教育方針
確かにヒントというなら、充分だ。
ミカ師範の実践に、気功という方法さえも提示されている。
なら、あとは試行錯誤だ。
「わかりました」
私はミカ師範から、斧を受け取ろうとした。
しかし――
「何してるの?」
「え?斧を……」
「何言ってんの、これはもうアタシがやったんだから、使えないわよ」
確かに強度という面では穴が開いてる分新しい何かが必要かも知れない。
だが、幸いにもミカ師範の小さな拳では充分面積が残っている。
「練習には使えると思いますし……」
「アンタ、まさか延々とこれ殴る気?」
「え?」
違うのだろうか。
「そんなの不毛よ……ま、これ自体なら、もしかしたら、それで習得できるかも知れないけど、
それじゃあ、意味ないわ。真の意味での気功を習得するのが目的でしょ?」
「あ……」
「向こう見ずというか……愚直ね、それがいいところでもあるけど、
アンタは一度基礎からやり直しなさい」
「基礎、ですか」
「そう、他の弟子達……門下生と一緒の鍛錬をしなさい」




