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師弟
「なっ……!」
「て、手など抜いては……」
ミカ姉さんは、遮るように床に足を叩きつけた。
「魔法を防いだ時!」
「!」
「周囲への飛び火を気にして、無理矢理抑え込もうとした、そうだね?」
「……はい、その通りです」
「それはアンタの戦い方じゃない。そして!」
ミカ姉さんは周囲を指すように左腕を広げた。
「他の弟子たちを信頼していないことになる!」
「!!」
「そうだろ、アンタ達!飛び散った魔法なんて、防いでくれるよな!」
「「「「押忍!」」」」
これは……ミカ姉さんの言うように、キュウさんの守りを突破出来たのは、加減されていたからということなのか。
「……これは、失礼いたしました」
キュウさんは手を合わせ頭を下げた。
「自分は驕っていました。それを師に教えられ、深く反省しました。
そして、その教えに報いるため――」
キュウさんは合わせた手を開き、再度あの受けの型を取った。
「全身全霊をもってお相手させていただきます!」
そういうキュウさんは、別人のように気迫がこもっていた。




