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対戦相手
「でも、まぁ、そう言っても納得はしないでしょ」
「と、当然です!」
「そう、なら、アンタにあたしを倒せるかい?」
この感じ、エル兄さんと同じなのだろうか。
「……戦えってことですか?」
「ふ、あはははは!」
しかし、ミカ姉さんは大笑いした。
「な、なんですかっ!」
「ここは道場で、あたしはその主、師範だよ?そう簡単にあたしと戦えると思ってるのかい?」
「う……な、なら、どうしようっていうんです!?」
「まぁ、まずは自分の実力を知ってもらおうかね」
「え?」
「キュウ!」
ミカ姉さんの呼びかけに反応したのは、道場の奥で座禅を組んでいた頭を丸めた男性だった。
男性は立ち上がったかと、思うと一瞬でミカ姉さんの傍にまで、跳躍した。
「ご用でしょうか」
「ああ、こいつと戦いな。あたしの妹だ、遠慮はいらない」
「っ!」
「畏まり」
私は思わず、ミカ姉さんの顔を二度見した。
「あたし以外には負けないとでも思ってるんだろ?まずはその勘違いを正してやろうってのさ」
「ミカ姉さん……!」




